エフェクターの選び方 - TC楽器 - TCGAKKI

 さぁ、念願のエレキギターとアンプを手に入れた!! 早速ダイスキなアーティストの曲にトライするぞ。あれっ?! (・。・) なんか違うな、、、CDやライブで聞けるあのサウンドにならないじゃないか!!

 エフェクターとは、音を加工して特殊な効果を加えたりして、表現力を高めるための道具です。一口にエフェクターといってもたくさんの種類があります。一番ポピュラーといえるのが、歪み系(ヒズミ系)のエフェクターでしょうか。

 エフェクターの魅力は、ずっと耳に残るインパクトのあるサウンドをつくったり、自分だけのオリジナル・サウンドをつくったりできることです。もちろん隠し味的な効果やサウンドの補正といった玄人っぽい使い方もありますね。

 ここでは、エフェクターの種類や接続の仕方、陥りやすいトラブルや使いこなしのコツなど、基本的なことをまとめてみました。

ファズなどと共にエフェクター創成期から存在し、元はトランペット奏者が行うミュートによるプレイを再現すべく開発された経緯を持っています。ペダルでフィルターを操作することで、ピーク周波数を高~低と動かし「ワウワウ」、「ウワウワ」といった音色変化が得られます。ペダルの動かす早さや深さにより、サウンドをコントロールします。

 

 


積極的に音質/音色をつくったり、サウンドの補正をするフィルター系のエフェクターです。その仕組みからグラフィック・イコライザー(グライコ)とパラメトリック・イコライザー(パライコ)があります。各周波数(バンド)のフィルターが一直線に並び、周波数グラフのように視覚的(グラフィカル)にわかりやすいタイプが「グライコ」です。対して「パライコ」は、中心周波数、レベル、帯域幅をそれぞれ設定することで、音色を変えるしくみです。ちょっと難しいですが、どちらも操作方法の違いはあれ、最終的な効果は同じと言えます。所謂、ドンシャリ・サウンドというのはイコライザーを使用して、中域(ミッドレンジ)を削ることで、低域(ローレンジ)と高域(ハイレンジ)を強調してメリハリあるサウンドにしているのです。

 

 



入力される信号レベルに応じてフィルターが作動し、ダイナミックでパーカッシブなワウ効果がつくれます。

 


歴史の話になりますが、60年代にまず登場したのが「ファズ」です。それこそ壊れたトランジスター・ラジオのようなチープなサウンドなものから、とにかく強烈に歪み、驚異的な音の伸びが得られるものなど、より個性的なサウンドを持っていました。その後60年代後期に、エリック・クラプトンがマーシャル・アンプとレスポール・ギターによってつくった「ウーマン・トーン」が注目を浴びます。これは真空管アンプのボリュームを目一杯上げて過剰負荷を与えることで得られる「オーバードライブ・サウンド」というものでした。するとそれまでの過激なファズに変わり、もっと自然でギタリストの微妙な表現を可能にする「ディストーション」が登場しました。さらに時代は経過し70年代後期になると、より真空管アンプとギターによる自然な「オーバードライブ・サウンド」に近く、表現力を高めた「オーバードライブ」が登場します。

ひとまず、軽めで自然な歪み:オーバードライブ、激しく重厚な歪み:ディストーション、より強烈で個性的な歪み:ファズと覚えていただければ、わかりやすいと思います。

 

 

 

フェイザーとも言いますね。元々はレズリー・スピーカーというドップラー効果が得られる装置を再現するべく発明されたエフェクターです。しかしながら効果は同じとは言えず、独立したエフェクターとして確立しています。その名の通り、フェイズ(位相)をシフト(ずらす)した信号を元の信号に加えることで干渉が生じ、サウンドにウネリを与えることができます。フェイズ・シフト回路の段数により効果に違いがあり、段数が多いほどキメの細かいシャープなウネリが得られます。対して段数の少ないものは、ルーズで粗いビンテージ・サウンドが特徴です。

 

 

 


ブースターはただ単に音量を上げる目的のエフェクターで、特に原音を変えることなく増幅するものを「クリーン・ブースター」と呼びます。ブースターを使用することで、出力の小さいギターでもアンプを難なくオーバードライブさせることが可能になります。プリアンプは音色や音量をコントロールするもので、ブースターとしても使用できます。

 


音量変化によるパルスで、ビンテージアンプに多く搭載されていたエフェクトです。信号の波形と変化スピードにより得られる効果が変わり、穏やかな効果からマシンガンのような激しい効果まであります。

 


効果的にはフェイズ・シフターと似ていますが、回路的にはディレイの仲間です。ショート・ディレイにモジュレーション(ディレイタイムを変化させることによるウネリ)を加えることで、フェイズ・シフターよりもアクの強いジェット効果や変調感の強い揺らぎ等が得られます。

 


フランジャーと同じようにショート・ディレイにモジュレーションを加えて、淡い揺らぎをつくり出すエフェクター。フランジャーよりディレイタイムが短いのが特徴で、心地よく爽やかな効果が得られます。最近ではBBD素子によるアナログ式に変わり、デジタル式の製品が多くなってきています。

 


一般的にはギターの奏法で知られる通り、音程を上下に揺らすことで得られる効果です。フェイズ・シフターの回路やコーラス回路を使用することで、聴感上同じような効果を得ているものがあります。

 


所謂「やまびこ効果」です。元の音に、遅らせた音を加えます。遅延時間や反復させる回数などにより多様な効果が得られます。また構造の違いにより、テープ・エコー、アナログ・ディレイ、デジタル・ディレイなどの種類があります。それぞれ、特徴のあるサウンドを持っています。

 


ディレイ/エコーとの違いがわかりにくいのですが、こちらは「残響」とか「余韻」のことで、たとえばお風呂場で歌った時にいい感じに響いたりするのが、まさしくリバーブ効果ですね。元々はアンプに内蔵されたスプリング式のリバーブが一般的でしたが、現在ではデジタル・リバーブによりホール、ルーム、プレート、ゲート、前述のスプリングなどの多種多様なリバーブ効果を簡単に得ることができます。

 


VCA(ボルテージ・コントロールド・アンプリファイア)回路を使用したもので、その名の通り、音を圧縮して(押し潰して)音を伸ばす効果があります。伸びるだけでなく、弦を弾いた瞬間(アタック)が独特になり、音に張りを与える効果もあります。また、リミッターも同じように音を圧縮するものですが、こちらはピーク時の信号のみを抑える効果があります。より補正的なエフェクターと言えます。

レコーディング・スタジオなどでは真空管を使用したラック・タイプが主流です。

 


ノイズを低減したり、ノイズが混入しないように弾いていないとき信号をシャットアウトしたりする装置です。しかし完璧なものではないので、音色に影響を与えないようセッティングすることや、何よりギターやアンプ、シールドケーブルなどノイズの元を絶つのが大事ですね。

 


ハーモニック式とフェイズ式があり、アンサンブルにおいて埋もれがちなサウンドを浮かび上がらせる効果があります。イコライザーなどと違い、原音に対する影響が少ないことが特徴です。

 


もっとも過激なエフェクター?! 内蔵する発信器とギター信号をミックスすることで、予想できない音程変化を生じさせ、リング音や金属音などユニークなサウンドがつくれます。

 


ギターアンプのサウンドを再現するもので、レコーディングなどでリアルなサウンドを手軽に得ることが可能です。アンプ・シミュレーターの元祖と言えるTech21のSansAmpやLine6のPODなどが知られます。後者はアンプやキャビネットの種類も豊富で、マイキングまでやエフェクトまで、緻密なセッティングが可能です。

 


アコギ特有の胴鳴りや倍音を再現して、エレキの音をアコギの音に変えることができます。ライブなどで楽器を持ち替えることなく、手軽にアコギのサウンドを導入できます。

 


ピッチ・シフターは音程を変えるエフェクターで、その進化系に「ハーモナイザー」や「ワーミー・ペダル」があります。アナログ回路によるオクターバーは自由なピッチ変換は出来ず、トラッキングの安定性にも欠けるが、味わいのある独特な音色で人気があります。

 


元々はカントリー・ミュージックのスティール・ギター奏者のために開発されたもので、音量をペダル操作によってコントロールするものです。ヴァイオリンのボーイング奏法のように、アタックを消して音が浮かび上がるようにプレイすることもできます。

 


入力信号を切り替えて楽器をチェンジしたり、出力信号を切り替えてアンプをチェンジしたりできるものや、信号ループをつくり複数のエフェクターを一度に切り替えたりするものなど、信号の流れを変える働きを持つエフェクターです。

 


1.コンパクト・タイプ

フットペダル型。コンパクトで持ち運びが楽で、その多くが電池駆動が可能です。

 

 

2.ラック・マウント・タイプ

スタジオや業務用機材に多く、高品質で高機能な製品が多い。反面、重量やサイズが大きく移動が面倒である。

 

数多くのコンパクト・エフェクターをボードに効率よくセットすることで、セッティングや持ち運びが容易になり、配線や電源関係のトラブルを防げます。

 

所謂、オール・イン・ワン。複数のエフェクターとスイッチング・システムが組み合わされ、一つにまとまったもの。エフェクトの組み合わせをメモリーできるものが一般的で、ライブ・ステージなどで威力を発揮する。多種多様なエフェクトを知る意味でも、ビギナーにもオススメできる。多機能な反面、エフェクトの接続順や他のコンパクト・エフェクターを割り込ませたりする自由度が低い。

 

接続順により効果が変わったりするので、絶対という順番はありません。あくまで一般的なセッティング例になります。ビンテージ・ファズなどギターから最初に繋がないと不具合が出るなどの例外もあります。

エフェクトとは言えないが、ギターの信号を電波で飛ばすことで、シールドケーブルにとらわれない自由なステージングが可能になる。信号を飛ばすトランスミッターと受信するレシーバーで構成される。

 

意外に多いのが電池切れ!! 特にデジタル物のエフェクターは消費電力が大きく、あっという間になくなる場合があります。電池の電圧が落ちてくると、エフェクトの掛かりが浅くなったり、空間系のエフェクトが歪っぽくなったりします。LEDインジケーターも暗くなってきますので、早めに電池交換をしましょう。ACアダプターやパワー・サプライを使用すれば、電池代の節約にもなるし、ライブ中での音切れも防げます。でも、アダプターの電圧や極性、許容アンペアに注意を図ることもお忘れなく!!

シールドケーブルは、出来るだけ良質なものを使用すればノイズも減らせます。万が一、音が出ないときは、焦らず冷静に原因箇所を探しましょう。エフェクターの入出力端子やシールドのプラグも日頃からクリーニングをしておくことでトラブルを回避できますよ。

 

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